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日々の財務・経営に役立つ情報発信
2022.08.19
【知っておきたい社長の知識】仮想通貨とは? ①基本編
経営相談財務コンサルタントをしていますと、財務のことに限らず、様々なご質問をいただきます。
つい先日も、郡山の経営者の方から、
「仮想通貨についてどう考えるか?」
といった趣旨のご質問をいただきました。
質問の中には、懐疑的なニュアンスが感じられました。
これは、当然の反応と考えています。
日本人は投資にあまり馴染みがなく、お金の話はタブー視する傾向があると思います。
ましてや、仮想通貨ならさらにその傾向が強いかも知れません。
事実、郡山の経営者様やFP相談を行うお客様の中で、
仮想通貨を所持、取引しているという方にはお会いしたことがありません。
懐疑的な印象を抱くのは、情報が不足しているためと考えています。
ですから、このテーマについては、財務コンサルタントというより、
私個人が考える仮想通貨の捉え方について、お話させていただきます。
仮想通貨とは
2008年に、
サトシナカモトという人が発表した論文を元に作られた、
国境のない通貨です。
サトシナカモトというのは、誰かは分かっていません。
仮想通貨という名前が一般的な市民権を得ていますが、
正式には暗号通貨という呼び方をします。
国税庁も令和元年まで仮想通貨という呼び方をしていましたが、
令和2年以降、暗号通貨という言い方をするなど、
地位が確立されつつあります。
ただ、一般的には暗号通貨よりも仮想通貨という言い方が
メジャーになってますので、
これからは、暗号通貨のことを仮想通貨と呼んで、お話していきます。
仮想通貨について基本から5つ、お話ししていきます。
1 仮想通貨の基本
2 仮想通貨の種類
3 仮想通貨のしくみ
です。
まず、これらを知らないと、仮想通貨について
なんだかわからないけど怪しいもの
という認識で終わってしまいますので、
是非ご覧いただければと思います。
1 仮想通貨の基本
仮想通貨は、インターネット上に存在するお金のことです。
ですので、現実世界にある紙幣やコインのような形に見えるものではありません。
オンラインで仮想通貨専用の口座を作って、
仮想通貨を購入して、
その中で、管理していきます。
売買、交換、送金は仮想通貨口座を通じて行われます。
ネットバンキングや電子マネーの
やりとりと思ってもらえばイメージしやすいかもしれません。
2 仮想通貨の種類
仮想通貨の種類は、現在約6000種類以上あります。
代表的なものはビットコインで1コイン当たり300万円以上するものから、
草コインと呼ばれるマイナーなものは1コイン1円もしないなど、
様々です。
最も代表的なものがビットコインです。
それ以外のコインの事を、アルトコインと呼んで区分しています。
コインの価値は日々変動しています。
・値動きも激しく、登場した瞬間買った金額の40倍になるもの
・1晩で42億分の1になるようなもの
など、様々です。
このあたりの値動きの激しさが、
不安なイメージを持たせてしまう要因になっているかもしれません。
3 仮想通貨の仕組み
これこそが仮想通貨を理解する上で最大のポイントです。
仮想通貨はお金ですから、偽造への対策も必要です。
ですが、仮想通貨はインターネット上にしか存在しないデータです。
簡単にコピーされたり、書き換えられてしまわないのか、
気になりませんか?
その疑問に対応した方法が、
分散台帳方式という方法です。
これは、簡潔に言えば、参加者皆でコインが本物であるか監視する仕組みのことです。
例えば、仮想通貨のビットコインを例にします。
ビットコインは現在、約1800万枚発行されていると言われています。
そして、ビットコインは世界40億人が持っていると言われています。
日本ではまだマイナーですが、世界ではメジャーです。
1800万枚しかないのに40億人がもっている理由ですが、
このコインの特徴として、小数点でも取引が可能です。
ビットコインは現在、1枚当たり約400万円ですが、
0.1ビットコインとか0.01ビットコインという使い方、買い方ができます。
400円の買い物をしたければ、0.0001ビットコインとなります。
ちなみに、最大1億分の1枚まで取引可能です。
この最小単位を1サトシといいます。
ビットコインの生みの親である、サトシナカモトから命名されています。
本題に戻ります。
このコインについて、本物の見極め方法は、
台帳
です。
コイン1枚ごとに、
誰かが誰かに渡したと、逐次記録されている台帳があります。
そしてその台帳は世界中のビットコインを持っている人全員が所持している上、
今この瞬間もリアルタイムで全員分書き換えられています。
このビットコインはAさんに渡って
その後、Bさんに渡って
今、Cさんが持っている
といった情報が、
コイン1枚ごとに記録してある台帳が存在します。
その台帳はビットコインに参加している40億人全員が所持しています。
台帳と照らし合わせることで、本物か偽物かを判別します。
ですから、その台帳を書き換えることができたとしても、
世界中の台帳を書き換えでもしない限りすぐ不正がわかる仕組みになっています。
台帳を世界中の人が持っている。
だから、分散台帳方式といいます。
最も確実な方法なのですが、以前は物理的に不可能でした。
・世界中の台帳を書き換える
・取引が行われるごとにリアルタイムで書き換える
といったことは、不可能でした。
ですが、テクノロジーの発達により、それが可能になりました。
おさらいとして、1円玉を例にします。
日本で発行されているすべての1円玉に
1枚1枚管理台帳があるとイメージします。
そしてその管理台帳には、
〇月〇日AさんからBさんにコインを渡した。
〇月〇日BさんからCさんに渡した
といった取引内容が取引開始以来から記録されています。
その台帳を国民全員が持っているイメージです。
一人が書き換えても、他の人が持ってる台帳と照らしあわせれば不正が分かります。
これが、分散台帳方式です。
余談になりますが、
この管理方法は、美術品や名画骨董品と同様の管理方法です。
何千万円、何億円もする美術品が
すぐ鑑定ができる理由は、台帳のおかげです。
勿論、掘り出し物と呼ばれるような、鑑定眼によるものもありますが、
有名なものや高価なものは管理台帳が備え付けられています。
〇年〇月〇日、AさんBさんに渡り、今Cさんが所持していることを
事細かに書いたログが存在します。
盗まれたり失われたものは、
・〇年〇月、盗難により行方不明
・戦争により行方不明
といった記載があります。
ですから、高額な美術品があったとしても、
そのログを見れば本物か偽物かわかるようになっています。
さらに、このログは公開されており、
1人が悪意をもって記録台帳を書き換えたとしても
他の人も記録台帳を所持しています。
世界中の全ての台帳をリアルタイムで書き換えでもしない限り
偽物を本物ということは不可能です。
このシステムをコイン1枚ごとに導入したものが仮想通貨の仕組みです。
このコインはどこで発行されたもので
〇月〇日、Bさんの手に渡り、
現在Cさんが所持しているということが事細かに記されています。
そして、この台帳は世界中で仮想通貨の所持者全員が所持しています。
以前は台帳をリアルタイムで書き換えるということは不可能でしたが、
インターネットと高速通信回線、高性能PCのおかげで、
それが可能になりました。
ですから、取引された瞬間にその台帳が上書きされて
さらにインターネットで世界中に拡散されていきます。
このタスクは、仮想通貨が取引されている間中ずっと行われています。
リアルタイムで台帳が書き変わっていきますから、
偽造のしようがありません。
さらにこの台帳は一昔前なら少数の人だけに拡散されていましたが、
今や仮想通貨を扱う人口は40億人です。
偽造やハッキングしたくても、
40億人の台帳を同時に書き換えるだけのシステムと通信力がなければ不可能です。
偽造についての懸念や問題点に対して、非常に優れています。
私見ですが、従来型の貨幣管理システムである
一極集中方式よりもはるかに優れた方式と思います。
現在の貨幣、円やドルは政府の中央銀行が管理しています。
これを一極集中方式といいます。
ですから、某メガバンクの事件の様に、
システムダウンや、ハッカーから狙われた場合、大変なことになります。
ですが、分散台帳方式ならば、1つがハッキングされたとしても他が補います。
しかも、今や40億以上に分散されている現状では、
ハッキングする意味はほぼありません。
セキュリティ上でも、非常に優れた理論と思います。
ここまで、仮想通貨の仕組みをお伝えしてきました。
キーワードは、分散台帳方式でした。
まとめます。
・世界中の利用者がコインの台帳を所持している
・台帳はリアルタイムで書き換えられると同時に、相互に監視している。
・実現できたのはテクノロジーの進歩の結果
です。
おわりに
ここまで、仮想通貨の基本について、お伝えしました。
次回は、仮想通貨の応用について、より深い知識をお伝えします。
リンク:【知っておきたい社長の知識】仮想通貨とは? 応用編
仮想通貨は、現在、世界的に認知が進んでいます。
認知が進んでいる背景には優れたところや可能性が挙げられます。
その反面、リスクも存在します。
ですが、どんな資産でも、技術でも、使うのは人です。
どんなに怪しいという印象を抱かれたとしても、様々な問題が発生したとしても、
本質的に優れたものなら、正当に評価され、生き残ります。
リスクもベネフィットも、コントロールできるのは、自分自身です。
全ては自分でコントロール可能ということを念頭に置けば、
仮想通貨に対する印象も、違ったものになると思います。
記事執筆
株式会社トライアンドエラー 税理士 代表取締役 遠藤 光寛(えんどう みつひろ)
1981年生まれ 山形県出身
2000年仙台国税局採用 福島県内税務署を中心に18年間勤務。
2018年税理士事務所を設立。国税時代から法人個人含め延べ約30万件超の財務経営コンサルティングに携わる。
現在は株式会社トライアンドエラー 税理士兼代表取締役社長として、福島県郡山市の企業を中心に財務経営コンサルタントとして活動中。
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