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2023.03.28
【経営者向け】在庫商品が経営を左右する|理由と対策
経営相談在庫管理は、多くの企業にとって最も重要な業務の一つであり、事業成長にとって欠かせない要素の一つです。
しかし、適切な在庫管理がなされていない場合、在庫を抱えることは企業にとって多くのデメリットをもたらす可能性があります。
社長や担当者の、いつか使う、まだ使えるという気持ちも理解できますが、ことビジネスにおいてその考えは命取りになってしまうことがあります。
コンサルタントの現場でも、この考えをスマートにすることは、至難の業と感じています。
コンサルとして思うことは、この「もったいない」というバイアスを卒業することができれば、企業を次のステップに進めることができると強く感じています。
本記事では、福島県内で20年以上にわたり様々なビジネスを見てきた税理士、コンサルタントが、在庫を抱えることが企業に与えるデメリットについて説明し、社長を説得するための情報を提供します。
大きく2点説明します。
1 在庫のデメリット
2 対策
目次
動画解説 在庫問題が経営を左右する理由と解決策
1 在庫デメリット6選
在庫を抱えることのデメリットについて、6点取り上げます。
(1)資金の浪費
在庫を抱えることは、資金の浪費につながる可能性があります。
在庫は企業の資産の一部であるため、在庫を抱えることで資産は増えますが、同時に資金も必要になります。
在庫を抱えることで、資金が在庫に拘束され、企業が必要とする他の投資や支出に回せなくなる可能性があります。
また、在庫が余ってしまった場合には、在庫の処分に関わるコストがかかることもあります。
(2)販売機会の損失
在庫を抱えすぎると、販売機会を逃すことになります。
在庫が多すぎる場合、商品が陳列棚から消えてしまう前に売り切れることができず、新しい商品を陳列できなくなる可能性があります。
また、商品の賞味期限が切れる前に売り切れなかった場合、商品を廃棄しなければならなくなり、無駄なコストが発生する可能性があります。
(3)需要の変化に対応できない
在庫を抱えることで、企業は需要の変化に対応する柔軟性を失う可能性があります。
需要が急激に増加した場合、在庫が不足してしまい、顧客に商品を提供できないことがあります。
逆に、需要が急激に低下した場合、在庫が過剰になり、処分や廃棄が必要になることがあります。
在庫を抱えすぎることで、企業は需要の変化に迅速に対応できなくなる可能性があります。
(4)貯蔵スペースの必要性
在庫を抱えることは、貯蔵スペースを必要とするため、倉庫や保管場所を確保する必要があります。
これには、建設費や賃貸費、保険費用などがかかり、コストがかさむことがあります。
また、在庫を保管するために必要な設備や機器を購入する必要があるため、追加のコストが発生することもあります。
(5)在庫品質の低下
在庫を抱えすぎることで、商品の品質が低下する可能性があります。
商品は時間の経過とともに品質が劣化するため、長期間在庫として保管されると、品質が低下し、商品価値が下がることがあります。
また、在庫品質の低下により、返品やクレームが発生する可能性があります。
これにより、追加のコストや顧客離れが発生することがあります。
(6)環境負荷
在庫を抱えることにより、環境負荷が増加する可能性があります。
在庫を保管するために必要な倉庫や保管場所の建設には、大量の資源が必要となります。
また、在庫の処分にはエネルギーやリソースが必要になるため、環境負荷が大きくなることがあります。
2 対策4選
これらのデメリットを考慮すると、在庫を抱えることが企業にとって望ましいことであるとは限りません。
在庫管理に関する適切な戦略を策定し、在庫を最適化することで、上記のデメリットを最小限に抑えることができます。
(1)精度の高い需要予測
需要予測を行い、在庫を必要最小限に抑えることで、資金やスペースを節約することができます。
言わずもがな、精度の高い需要予測は事業の成果に直結します。
中小零細企業に多く見られる、職人的な担当者や経営者の勘ピュータ頼みでは、いつまでたっても高収益体質とは程遠いです。
・品目ごとの仕入を記録する
・記録の効果測定をする
・次の仕入に反映させる
といったサイクルの構築は、社を上げて構築する必要があります。
(2)回転率向上
在庫の回転率を向上させることで、在庫品質の低下や商品の劣化を防ぐことができます。
販売担当との密接な連携が必要になります。
(3)テクノロジー導入
在庫管理においては、技術革新やデータ分析などの最新のテクノロジーを活用することができます。
例えば、人工知能や機械学習を用いた需要予測システムを導入することで、正確な需要予測を行い、在庫を最適化することができます。
また、RFIDやバーコードなどの自動認識技術を用いることで、在庫の正確な管理や追跡が可能となります。
これらの技術を活用することで、在庫管理の効率化や精度向上が期待できます。
(4)棄てる
最もパワフルですぐできるものが、この選択です。
「いつか使うから」
「もったいない」
精神は、はたから見たらガラクタ置き場です。
棄てることは一時的に痛みを伴いますが、多くのメリットをもたらします。
・企業景観の向上
・在庫管理のシンプル化
・倉庫契約の解約による経費節減
・在庫金額減少による節税
・仕入、販売戦略の失敗の可視化
など、企業発展には欠かせない要素が数多く含まれています。
まとめ
以上、在庫を抱えることのデメリット6選と、その解消に向けての対策4選をお話ししました。
社長や経営陣は、これらのデメリットを理解し、在庫管理に適切な戦略を取り入れることで、事業成長を実現できます。
おわりに
在庫を抱えることにはデメリットがある一方で、在庫を持つことでビジネスにとって重要な利点もあります。
例えば、在庫を持つことで、顧客への迅速な配送や、需要急増に対応する柔軟性が得られます。
また、在庫を持つことで、競合他社に先んじた製品やサービスの提供が可能となり、市場シェアの拡大や新規顧客の獲得につながることもあります。
在庫を抱えることにはデメリットがある一方で、ビジネスにとって重要な利点もあることを理解し、適切な在庫管理戦略を取り入れることが重要です。
社長や経営陣は、在庫管理に関する正確な情報を収集し、適切な判断を行うことで、事業の成長や競争力の維持・向上につなげることができます。
記事執筆
株式会社トライアンドエラー
代表取締役 遠藤 光寛(えんどう みつひろ)
税理士 行政書士
1981年生まれ 山形県出身
2000年仙台国税局採用 福島県内税務署を中心に18年間勤務。
2018年税理士事務所を設立。国税時代から法人個人含め延べ約30万件超の財務経営コンサルティングに携わる。
現在は株式会社トライアンドエラー 税理士兼代表取締役社長として、福島県郡山市の企業を中心に財務経営コンサルタントとして活動中。
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