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2022.09.15

【知っておきたい社長の知識】NFTとは?

経営相談

財務コンサルタントをしていますと、財務のことに限らず、様々なご質問をいただきます。
つい先日も、郡山の経営者の方から、
「NFTについて教えていただきたい」
とご質問をいただきました。
このテーマについては、財務コンサルタントというより、
私個人が考えるNFTと今後の見通しをお話させていただきます。
郡山でも、先進的な企業を中心にDXやGXの普及が始まっています。
これから未来に向けて歩む企業にとって、非常に興味深いテーマです。

NFT(エヌエフティー)とは

ノンファンジブルトークンのことです。
デジタルデータを、世界に一つだけのものと証明する技術のことです。
これだけでは、情報不足と思いますので、
NFTについて3つの点から、詳しく説明していきます。
1 NFTの基本
2 NFTの売買
3 NFTの課題

1 NFTの基本

大きく3点あります。
1 NFTとは
2 デジタルでも本物には価値がある
3 製作者が報われる

(1)NFTとは

デジタル上の証明書の事です。
デジタルデータに証明書を付けることで本物と証明する技術のことです。
イメージ的には、データにシリアルナンバーを振ることで、
同じような見た目でも、世界に一つだけのものにすることができる技術です。
絵画を例に、お話します。
絵画の所有者であることを証明できるものに、
証明書があります。
美術館が持っているか、
個人が持っているか、
法人が持っているか、
誰が正当な所有者であるかを客観的に示すことができるのは、
その証明書を持っている人です。
これがデジタルデータだと、誰のものかよくわからないわけです。
デジタルですからコピーも簡単なので、正規品かコピー版かもわかりません。
証明書ですらコピーが可能です。
出所も不明です。
従来なら、本物であることを証明することや、誰のものかを証明することが
難しい状況がありました。
これがNFTという技術の登場によって、
持ち主や製作者を作品に紐付けすることができるようになりました。
まとめますと、NFTは、
デジタルデータにシリアルナンバーを振ることができる技術のことです。
そしてこの証明番号は、ブロックチェーン技術によって可能されました。
ブロックチェーンについては、仮想通貨の回でお伝えした技術です。(リンク)
詳細は省きますが、偽造が不可能になる技術により、NFTが生まれました。

(2)デジタルでも本物には価値がある

デジタルデータを唯一無二と証明することができれば、
デジタルデータでもオリジナルを所有することに意味が生まれてきます。
そのため、オリジナル品の売買が可能になります。
現に、イラストや音楽のうち、数億円でやりとりされているものも出ています。
デジタルデータなんて、スクリーンショットで良い、
音楽なんて、ある程度劣化してても、
Youtubeで聞ければいいと思うかもしれませんが、
実は、そうではありません。
例えば、レオナルドダヴィンチが書いた、モナリザを例に挙げます。
パリのルーブル美術館に展示されているモナリザは
日本円で1000億円超えるといわれています。
ですが、このモナリザは、レプリカもあれば、写真や教科書など、
ありとあらゆるところに掲載されています。
本物と見た目が同一のコピー品が世の中に溢れているわけです。
ですが、見た目が同じでも、
絵画が好きな人にとっては、レプリカはレプリカでしかありません。
本物が一番となります。
では、これらのレプリカとオリジナルの差は、いったい何でしょうか?
写真やパンフなら1000円もしないかもしれません。
本物は1000億円です。見た目も同様です。
この価値の違いはどこにあるのでしょうか?
それは、本物であるということ、この1点だけなんです。
人は、本物であるということに価値を見いだします。
言い換えれば、
本物であるという証明に、1000億円の価値があります。
もう一度申し上げます。
本物という証明に、人はお金を払います。
NFTも同様です。
デジタルデータは、簡単にコピーが可能です。
ですが、オリジナルは1つだけです。
この本物は1つだけ、というところに価値があります。
レコードも同様です。
音楽レコードの復刻版やデジタル版はいたるところにあります。
ですが、初期ロットやオリジナルの原板には、
特段の価値があるし、お金を出す人もいます。
デジタルデータも同じです。
オリジナルもコピー品も一見同じように見えます。
ですが、同じに見えて、オリジナルは
コピーと全く価値が異なるわけです。
そして、この概念が生まれた瞬間、
絵や音楽などのアートに、
「デジタルアート」という大きな市場が生まれました。
NFTの誕生は、アートを含む知的財産には、
歴史の転換点といっても過言ではありません。

(3)製作者が報われる

絵を描いて、NFT化したとします。
それが売れたとします。
そうすると、作者のポケットにお金が入ってきます。
凄いのはここからです。
その作品が転売されたとしても、作者のポケットにずっとお金が入ってきます。
NFTの優れていることは、
作者が誰で、誰から誰に渡り、今誰が持っている、という
ブロックチェーンの技術が使われていることです。
これにより、転売したとしても全ての履歴が分かります。
NFTはここに、作者が報われる仕組みを搭載しました。
すなわち、売買手数料です。
作者は、作った作品をNFT化して世に送り出すとき、手数料を設定できます。
手数料は、売却金額の最大10%まで設定が可能です。
したがって、以下の2点を受け取ることができるようになりました。
・作品を売却したときの売上
・転売時の手数料

ここが革命です。
これは取引が活発になればなるほど、作者が儲かる仕組みです。
取引が活発になるということは、
・その作品が非常に魅力的である
・世代を超えて愛されるということ
・欲しい人にとっては、高額でも手に入れたいほど魅力的

という証拠です。
ですから、作者であるクリエイターが報われる仕組みなのです。
今まで取引というのは、クリエイターにとって、関心の低いことでした。
なぜなら、中古品が売れても1円も手元に入って来ないからです。
ですが、今後は取引されればされるほど、
クリエイターが報われることになります

その仕組みは、魅力的なものを世に送り出そうという原動力になります。
ここが、芸術分野を中心に世界のスピードを上げるきっかけになると考えられます。
以前なら、本やCDなどは中古販売しても、1円も作者の下に入ることはありませんでした。
ですが、NFT化すれば、
作者から始まって、取引履歴、売った人、買った人全ての履歴が残ります。
これにより、売買時の手数料を作者が受け取ることが可能です。
これまでは、一点物だからこそ、
価値が出るというメリットがありますが、
量産できないというデメリットがありました。
しかし、取引回数が多くなることで、それを克服しました。
・オリジナルデータは、NFTとして高額な販路
・コピーしたものは依然と同様の販路

こういった取引の住みわけができると思われます。

2 NTFの売買

ここからは、NFTの売買について、2点取り上げます。
(1)誰でも儲かるわけではない
(2)NFTの売買方法

ということについて、取り上げます。

(1)誰でも儲かるわけではない

そもそも、価値があるものしか売れません。
これは市場の原理原則です。
イラストが売れるためには、
人々にとって価値あるものでない限り、売れることはありません。
知名度や、歴史的な価値が必要になります。
もし個人でイラストや音楽を作り、
NFT化しても、
顧客に知名度や価値を感じてもらわない限り、
世界で唯一を謳ったところで売れることはありません。
ここは現実世界と同じです。
逆に、
・知名度が高い
・歴史的に意義がある

という要件を満たせば、何でも売れるというのがNFTの特徴です。
例えば、ツイッターのつぶやきが3億円以上で落札されました。
ツイッターのつぶやきは、
「just setting up my twttr」
日本語訳で、「今、ツイッター設定を完了しました。」
という一文です。
これに3億円の値段がついた理由は、
ツイッターの創業者であるジャックドーシーが、
ツイッターに初めてツイートしたものだからです。
ツイッターの歴史は、この一文から始まっています。
こういった
・歴史的な価値
・唯一無二の本物

というジャックドーシーの証明が、NFTによって付与されています。
このようなものに、価値はつきます。
まとめますと、
NFTで価値が付くと思われるものには、以下の要素が必要と思われます。
・歴史的瞬間
・一点物
・クリエイターの影響力や将来性、背景やストーリーが価値を感じさせるもの
もしかすると、
今有名なYoutuberの最初の動画も、
NFTになれば、高値で買う人がいるかもしれません。

(2)NFTの売買方法

売買は、マーケットプレイスという場所で行われます。
マーケットプレイスというのは、デジタルデータのECサイトのことです。
ここで、デジタルデータが売買されています。
・GMO主催のAdam by GMO
・Coincheck主催のCoincheckNFT

などが挙げられます。
売買は、仮想通貨で行われます
仮想通貨がなければ、仮想通貨を買って、売買することになります。

ここまで、NFTの売買について、お話してきました。

3 NFTの課題

ここからは、NFTの課題について、取り上げます。
大きく、2つあります。
(1)売買手数料が高い
(2)トラブルが多い

ということです。

(1)売買手数料が高い

売買手数料は、1件当たり5000円から1万円です。
%に直した場合、売買金額の5%~10%が目安です。
これは、一般的にガス代と呼ばれます。
NFTは、ブロックチェーン技術の上に成り立つ技術です。
ブロックチェーンというのは、世界中に取引を記した台帳が散らばっており、
それらの台帳が相互に監視することで、取引の安全が担保されている仕組みです。
この取引を担保するためには、マイニングという作業が必要です。
マイニングとは、相互監視プログラムをずっと作動し続けることです。
つまり、パソコンを起動し続ける必要があるわけです。
当然電気代がかかります。
この電気代を、ガス代といいます。
ざっくり申し上げれば、NFTを維持するための手数料は、
パソコンでプログラムを起動している人への報酬です。
したがって、価格が低いNFTは手数料が割高になってしまうため、
何百万円や何千万円もするような、
高価格のNFTアートが現在目立っています。

(2)トラブルが多い

今、NFTは黎明期です。
ほぼ開始されたばかりで、認知度もまだまだです。
法整備もなければ、国際的な枠組みもありません。
ある意味、無法地帯です。
今後、日本でも認知が上がってくるに伴い、
詐欺や怪しいセミナーがある程度横行することが予測されます。
ですから、NFTが気になっても、
すぐ試さずに、しっかり勉強してから付き合う方法が賢明です。
当然ですが、トラブルがあっても、法律がない世界ですから、自己責任の世界です。
以上、NFTの課題でした。

今回は、NFTについて、3点お話しました。
1 NFTの基本
2 NFTの売買
3 NFTの課題

でした。


おわりに

今後は郡山でも、10代の若きクリエイターを中心に、
NFTへのチャレンジが増えてくるでしょう。
現に、学生さんでもプログラムや絵、音楽に非凡な才能を見出す人は
福島県にも、郡山にも存在しています。
ですが、デジタルでもリアルでも、
価値を感じてもらわなければ、モノは売れません。
作品の知名度が上がり、支持する人がいればいるほど、
作品の価値は上がっていくと思われます。
そういう意味では、現実も、NFTも、商売の本質は変わりません。
ユーザーが何に価値を感じるのか、
しっかり突き詰めていくことが、NFTと付き合うポイントです。

記事執筆


株式会社トライアンドエラー 税理士 代表取締役 遠藤 光寛(えんどう みつひろ)
1981年生まれ 山形県出身
2000年仙台国税局採用 福島県内税務署を中心に18年間勤務。
2018年税理士事務所を設立。国税時代から法人個人含め延べ約30万件超の財務経営コンサルティングに携わる。
現在は株式会社トライアンドエラー 税理士兼代表取締役社長として、福島県郡山市の企業を中心に財務経営コンサルタントとして活動中。
©2022 遠藤光寛

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