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2025.07.22
【士業の皆様へ】なぜ私は「高額サービス」に絞って提供しているのか
経営相談
目次
─ “選ばれる士業”であるために必要な発想転換
こんにちは。郡山市で税理士事務所を営んでおります、遠藤です。
国税局で18年間勤務し、独立して7年目になります。
この記事では、私がなぜ高額ラインナップの商品・サービスにこだわっているのか、そしてそれが小規模な士業こそ実行すべき経営戦略であると考える理由についてお伝えします。
1 数ではなく「深さ」で勝つ時代
まず、売上の作り方を例に考えてみましょう。
たとえば、年間100万円の売上をつくる場合。
- 1,000円の商品なら1,000件の販売が必要です。
- 一方、10万円の商品なら、10件で達成できます。
どちらが現実的か――これは「資源の量」で決まります。
広告費、人手、ブランド力、対応能力。
これらを潤沢に使えるのは大手事務所か上場企業だけです。
私たちのような小規模な士業事務所が数を追う戦いに挑むのは、無謀です。
だからこそ私は、「数ではなく、深さ」で勝つ道を選びました。
2 高額にすることで、サービスの質を保てる
「安いほうが売れる」は、たしかに一理あります。
しかし、安く提供すると、必ず以下のような歪みが生じます。
- 顧客対応の時間が取れない
- 一人ひとりに深く関われない
- 一件あたりの利益が薄く、疲弊する
これでは、本来士業が持っている知見・経験・支援力を発揮する余地がありません。
価格を上げるということは、「その価格に見合う価値を出す」という責任と覚悟を持つことでもあります。
それが結果としてサービスの質を引き上げ、お客様にとっても満足度の高い支援につながるのです。
3 私が実感した「深く関わる」ことでの成果
私は顧問先企業に対して、単なる税務申告だけでなく、
- 月次での面談と財務分析
- 管理職研修や社員教育
- 資金繰りのサポート
- 事業承継・組織再設計の支援
- 銀行交渉や補助金対応の相談
など、経営に伴走する支援を提供しています。
このような支援をするには、安価な契約では到底対応できません。
だからこそ、価格を上げ、そのぶん「深く・長く」関係を築くスタイルにしています。
結果として、他の事務所では対応できない支援が評価され、
「この事務所にしか頼めない」と言っていただける状況を少しずつ築けています。
4 高額=悪ではない。むしろ信頼の裏付けになる
多くの士業が「価格を下げないと依頼が来ない」と感じているかもしれません。
しかし、私はあえて言います。
価格が高いことで選ばれる士業になるべきだと。
高額な商品・サービスは、「価格に見合った価値を出す」という覚悟が必要です。
でも、その覚悟を持つことで、
- クライアントとの関係性は深まり
- 一件ごとの生産性は上がり
- 結果的に紹介も増え、
- 持続可能な経営に繋がります。
安く請けて疲弊するのではなく、価値に見合う価格で、深い支援を提供する。
それが、これからの士業に求められるスタンスだと考えています。
5 大手に勝てないなら、土俵を変えるしかない
価格競争やネット集客の仕組み化など、大手型の戦い方を真似してもうまくいかないことがほとんどです。
実際、私も以前はSEOに600万円投資して、「郡山 コンサルタント」で1位になったにも関わらず、問い合わせはゼロでした。
理由は明確です。
「信頼できる税理士を探している人に、“コンサルタント”は響かなかった」のです。
つまり、言葉やポジション、戦い方そのものを“相手目線”で再設計する必要があるということ。
大手と同じ言葉で、同じように安く売っていては、小さな士業は潰れてしまいます。
6 価格で選ばれるのではなく、「信頼と覚悟」で選ばれる存在へ
私がこの数年でたどり着いた結論は非常にシンプルです。
安さで選ばれる士業は、次も安さで比べられる
高くても選ばれる士業は、他にはいない「唯一の価値」を提供している
後者になるには、「深く支援する覚悟」と「自分自身の磨き込み」が必要です。
でも、それをやりきったときにだけ、価格決定権を自分で握れる士業になります。
それは、価格に怯えながら案件を追いかける生活から脱し、
選ばれる立場として、落ち着いて長期支援ができる道でもあります。
最後に:もしあなたが疲弊しているなら
- 売上はあるけど、余裕がない
- 顧問先が増えても、なぜか豊かにならない
そんな悩みがある方こそ、価格と提供価値のバランスを見直す時期かもしれません。
高くても喜ばれる支援。
深く関わることで生まれる紹介と信頼。
これからの士業経営において、それこそが最も安定した収益基盤になると、私は実感しています。
遠藤会計では士業向けのサービス販売、専用講座も承っております。
事務所のメニュー追加など、ご相談がございましたら、お問合せください。
説明ページ:https://consulting-koriyama.jp/study/

記事執筆者
遠藤 光寛(えんどう みつひろ)
税理士・行政書士・FP1級
18年間の国税職員経験を経て、2018年に独立。
クラウド会計や医療法人支援を専門としながら、税務申告・記帳代行にとどまらず、人材育成・業務の仕組み化・データに基づく経営戦略立案、実行を一貫して提供している。
2020年に株式会社遠藤会計を設立し、福島県郡山市を拠点に、企業の経営基盤を支える伴走型の税理士事務所を運営。
以下のような、「現場と数字」の両面からの改善支援を強みとする。
・債務超過企業の黒字化
・離職率の高い組織の再構築
・マネジメントに悩む管理職の再育成
支援の根底にあるのは、「人は財」という信念。
税務の専門家としての正確さに加え、人と組織の成長をともに考える姿勢に信頼を寄せる顧問先も多い。
すべての顧問先に税理士本人が対応し、経営者の課題に誠実に寄り添う姿勢を大切にしている。
保有資格
- 税理士
- 行政書士
- ファイナンシャル・プランニング技能士1級
- CFP®認定者
- 認定マスターコーチ
- 経営支援責任者
- 方眼ノートトレーナー
- クラウド会計ソフトfreee会計上級エキスパート
- クラウド会計ソフトfreee人事労務エキスパート
- 第二種情報処理技術者
- 初級システムアドミニストレータ
- Microsoft VBA Excel スタンダード
認定・許可
- 福島県 甲種防火管理者
- 経済産業省 経営革新等支援機関
- 厚生労働省 有料職業紹介事業所
- 福島県公安委員会 古物商許可
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