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2024.09.06
脱サラしてもフランチャイズに加盟することはお勧めしない理由
経営相談この記事では、脱サラして独立したいと考えている方へのための記事です。
会社員として勤務する方から、「脱サラして独立したい」旨のご相談をいただきます。
独立にあたって、選択肢の一つとして挙げられるのがフランチャイズ加盟です。しかし、私はフランチャイズに加盟することをお勧めしていません。その理由を詳しく解説いたします。
目次
1 フランチャイズ加盟の落とし穴
フランチャイズは、既存のブランド力や営業ノウハウを活用することで、独立開業のハードルを下げ、比較的短期間で事業をスタートできる魅力があります。
たとえば、飲食業やコンビニエンスストア、美容業など、さまざまな業界で多くのフランチャイズが展開されています。しかし、フランチャイズには数々のリスクや制約が伴い、それが独立を目指す人々にとって重大な障害となることがあります。
(1)自由度の制限
フランチャイズ加盟店としての経営は、基本的に本部のマニュアルやルールに従うことが求められます。商品ラインナップ、サービスの内容、価格設定、さらには店舗のデザインに至るまで、細部にわたって本部の指示に従う必要があります。これにより、自分のアイデアや戦略を自由に展開することが難しく、経営の自由度は大幅に制限されます。
たとえば、地域の特性に合わせた商品を取り入れたいと思っても、本部の許可がなければ実行できないことが多いです。これにより、地元のニーズに応えられないケースも少なくありません。
結果的に、「自分のお店を経営している」という実感が薄れ、ただの本部の一員としての業務をこなしているに過ぎないと感じることがあります。
(2)高額な初期費用とロイヤリティ
フランチャイズ加盟には、初期費用として加盟金、保証金、内装工事費、設備投資など、多額の資金が必要です。これに加え、売上に対して一定割合を支払うロイヤリティが発生します。ロイヤリティは、毎月の売上の数十パーセント、中には粗利益の半分を超えるなど非常に高額になることもあります。これが経営を圧迫し、利益率が低下する要因となります。
また、初期投資を回収するまでに時間がかかり、経営が安定する前に資金繰りが苦しくなることも珍しくありません。フランチャイズ本部の期待する売上に達しない場合、その差額を補うための追加投資や融資を迫られることもあり、結果的に多額の負債を抱えるリスクがあります。
(3)本部のサポートの質
フランチャイズ本部のサポート体制は、ブランドによって大きく異なります。中には充実したサポートを提供する本部もありますが、全ての本部がそうであるわけではありません。サポートが不十分な場合、経営に関する問題や悩みを一人で抱え込み、大きな負担を感じることがあります。例えば、売上が伸び悩んだときや人手不足に直面したときに、本部からの支援が期待できず、事業を続けることが困難になるケースもあります。
(4)ブランドイメージへの影響
フランチャイズ加盟店は、同じブランドの看板を掲げる他の店舗と運命を共にします。一部の加盟店で問題が発生した場合、その悪影響は全ての加盟店に及びます。例えば、食品衛生問題やサービスの質に関するクレームが他の店舗で発生した場合、たとえ自店舗が問題なく運営されていても、ブランド全体のイメージが損なわれ、集客に悪影響を及ぼすことがあります。
さらに、本部自体の経営状況が悪化した場合、フランチャイズ全体の運営に影響が出るリスクもあります。最悪の場合、本部が倒産することもあり、その際には加盟店としての運営も継続が難しくなるでしょう。
2 脱サラして独立開業を検討する際のポイント
脱サラして独立開業を目指す方には、フランチャイズにこだわる必要はありません。自分の強みや経験を生かし、独自のビジネスモデルを構築することが、より持続可能で魅力的な選択肢となります。まずは、自分の強みや情熱を見つめ直し、それを活かせる事業を考えます。次に、市場調査を徹底的に行い、自分のアイデアが本当に求められているかを確認します。
具体的には、自分の強みや興味のある分野を明確にすることです。そして、市場のニーズを徹底的に調査することが重要となります。自分と同じような境遇で開業している事業者を徹底的にリサーチすることで、ビジネスモデルの解像度を上げていきます。
(1)自分の強みを活かせる事業
独立開業においては、過去の経験やスキル、興味関心を活かせる事業を選ぶことが重要です。自分が得意とする分野や、情熱を持って取り組める分野であれば、困難な状況に直面しても、高いモチベーションを維持することができます。例えば、IT業界での経験があるなら、ITコンサルタントやウェブ開発事業を始めることが考えられます。
(2)市場のニーズを捉えた事業
成功するビジネスには、顧客のニーズに応える商品やサービスが必要です。独立開業に際しては、事前に徹底した市場調査を行い、どのような商品やサービスが求められているのかを把握することが欠かせません。まずはお客様の支持を得られるのか(売れるのか)ということを徹底的に突き詰めます。
(3)競合との差別化
競合が多い市場においては、他社と差別化することが重要です。例えば、特別なサービスや商品の品質、顧客対応の優位性など、何かしらの強みを打ち出すことで、顧客から選ばれる理由を提供できます。差別化がしっかりしていれば、価格競争に巻き込まれることなく、顧客からの支持を集めることができます。そのためには調査が欠かせません。
3 まとめ
フランチャイズは、決して万能な選択肢ではありません。脱サラして独立を目指すのであれば、自分自身の強みを活かし、市場のニーズを捉えたビジネスを構築することが重要です。独自性を持った事業で、自由な経営と持続的な成長を目指すことこそが、長期的な成功への道となるでしょう。
ビジネスはリスクを伴うものですが、自らの力で勝ち取る成功は、何にも代えがたい喜びをもたらします。
フランチャイズという枠に頼ることなく、自分自身の力でビジネスを築き上げることこそ、真の独立です。
あなたのビジネスはあなた自身のものであり、どこまでも自由に成長させることができます。自分らしい選択をして、自由で豊かなビジネスライフを手にしてください。
遠藤会計は企業経営者の皆様に役立つ情報を提供し、事業の成功をサポートいたします。
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お問い合わせ:https://consulting-koriyama.jp/contact/
記事執筆者
株式会社遠藤会計
代表取締役 遠藤 光寛(えんどう みつひろ)
・税理士
・行政書士
・1級ファイナンシャルプランニング技能士
1981年生まれ 山形県出身
2000年仙台国税局採用 福島県内税務署を中心に18年間勤務。税務調査ほか法人個人含め延べ約30万件超の決算書、申告書の分析に携わる。
2018年税理士事務所を設立。
国税時代および税理士、FPの経験から、正直に生きることが、仕事やお金に愛され、幸せに生きる人の特徴であることに回帰。「なんだかんだで正直が一番」を掲げ、長期的な視野で、持続して成長する企業づくりの支援を行っている。また、企業の安定的な財務基盤構築には経営者や従業員の家計も整える必要があるという信念の元、企業財務と経営者や従業員の家計、トータルでの財務コンサルティングを提供している。
現在は株式会社遠藤会計 税理士兼代表取締役社長として、福島県郡山市の企業を中心に財務経営コンサルタンティングを行っている。
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