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企業の命綱を理解する

ビジネスにおいて、投下した資金を回収して利益を上げることは基本中の基本です。
投下した資金以上の回収ができればビジネスは成長しますが、逆に回収が少なければビジネスの存続は難しくなります。
ここでは、資金の回収が特に難しいとされるビジネスの特徴を４つ紹介します。

1.廃棄率が高いビジネス

ここで述べる廃棄率とは、仕入れた在庫が売れずに廃棄される割合を指します。
特に食品業界が代表例です。
食品は購入した瞬間から消費期限のカウントダウンが始まり、売れ残った場合には廃棄せざるを得ません。
技術や工夫で廃棄率を抑えようとする試みはありますが、完全に解決することは難しいです。

廃棄率が高いビジネスの例

飲食業界: 新鮮な食材を扱うため、売れ残りが発生しやすい。
小売業: シーズン商品や流行商品の売れ残りリスク。
廃棄率と常に戦い続ける必要があるため、経営の難易度が非常に高いと言えます。

2.開業率が高いビジネス

開業率が高いビジネスは、誰でも簡単に始められるビジネスであることが多く、その分ライバルも多いです。
このようなビジネスは市場がレッドオーシャンとなり、競争が激化します。

開業率が高いビジネスの例

飲食店: 小資本で始められるため、多くの新規参入者がいる
美容サロン: 資格があれば個人でも開業しやすい業界
競争が激しい環境では、価格競争やサービスの差別化が重要となり、経営が難しくなります。

3.在庫があるビジネス

在庫を持つビジネスは、在庫が売れるまでの時間が長ければ長いほど、資金が回収できないリスクが高まります。また、デッドストック（売れ残り在庫）が発生すると、さらに経営を圧迫します。

在庫があるビジネスの例

製造業: 大量生産に伴う在庫管理が必要
小売業: 季節商品やトレンド商品の管理が難しい。
在庫を保管するための倉庫費用や管理コストも経営に影響を及ぼします。

4.100％下請けのビジネス

下請けとして働くビジネスは、元請けの方針転換や経営状況に大きく依存します。
特に大手企業の下請けとして依存している場合、突然の取引停止や契約変更により、売り上げが立たなくなるリスクがあります。

100%下請けのビジネスの例

部品製造業: 自動車や電子機器の部品を製造する下請け企業
建設業: 大手ゼネコンの下請けとして働く建設企業
このような依存関係は、ビジネスの安定性を著しく低下させ、経営の自由度を制限します。
これは規模が大きいほど危険になることもあります。
一見工場増設やスタッフ増員など規模が大きいほど、梯子を外された時は一気に経営が傾いてしまいます。

まとめ

ビジネスを成功させるためには、資金の回収が重要です。
しかし、廃棄率が高い、開業率が高い、在庫を持つ、100%下請けという特徴を持つビジネスは、特に経営の難易度が高くなります。
これらのビジネスに取り組む際には、十分なリスク管理と戦略的な経営が求められます。

遠藤会計は企業経営者の皆様に役立つ情報を提供し、事業の成功をサポートいたします。
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記事執筆者

株式会社遠藤会計
代表取締役　遠藤　光寛（えんどう　みつひろ）
・税理士
・行政書士
・１級ファイナンシャルプランニング技能士
・ＣＦＰ
・（一財）生涯学習開発財団認定　マスターコーチ
１９８１年生まれ　山形県出身
２０００年仙台国税局採用　福島県内税務署を中心に１８年間勤務。税務調査ほか法人個人含め延べ約３０万件超の決算書、申告書の分析に携わる。
２０１８年税理士事務所を設立。
国税時代および税理士、ＦＰの経験から、正直に生きることが、仕事やお金に愛され、幸せに生きる人の特徴であることに回帰。「なんだかんだで正直が一番」を掲げ、長期的な視野で、持続して成長する企業づくりの支援を行っている。また、企業の安定的な財務基盤構築には経営者や従業員の家計も整える必要があるという信念の元、企業財務と経営者や従業員の家計、トータルでの財務コンサルティングを提供している。
現在は株式会社遠藤会計　税理士兼代表取締役社長として、福島県郡山市の企業を中心に財務経営コンサルタンティングを行っている。