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日々の財務・経営に役立つ情報発信
2023.02.14
【初心者向け】①初めてのふるさと納税 基本編
家計コンサルタントこのブログは、
・ふるさと納税をこれからやろうと思っている方
・ふるさと納税に興味がある方
向けに、ふるさと納税について、分かりやすく解説します。
最後まで読んでいただければ、ふるさと納税へチャレンジしてみる気持ちになると思いますので、最後までお付き合いください。
ふるさと納税は奥が深いから、2回にわたって解説していきます。
今回は、ふるさと納税の基本について、ご説明します。
今回のふるさと納税の基本では、
3つのテーマでお話します。
1 ふるさと納税のキホン
2 ふるさと納税の歴史
3 ふるさと納税の仕組み
です。
このうち、最後のふるさと納税の仕組みは、しっかりご覧いただければと思います。
目次
1 ふるさと納税のキホン
(1)住民税がベース
私が住む郡山市を例に、扱っていきます。
ふるさと納税は、郡山市以外の市区町村に寄付をすることをいいます。
ふるさと「納税」とうたっている以上、税金の仕組みの1つですから、この基本からお話します。
税金の種類は、住民税といいます。
福島県と郡山市に納付する税金です。
この税金は、住んでいるだけでかかる税金です。
なぜなら、この税金は、様々な行政サービスに使われているためです。
例えば、ごみ収集、図書館、警察、消防などは、生活を維持するために必要な経費です。
住民として住んでいる以上、行政サービスを受けているわけですから、
その費用を都道府県民・市区町村民として地域住民が負担します。だからこそ、「住民税」と呼ばれます。
納税方法は給料天引き方式と自分で納付する(口座振替になる)2つの方法があります。
会社員なら、毎月のお給料から引かれますし、
個人事業主、年金受け取りの方は自分で納付することになります。
毎年6月頃、市役所から通知が届き、
・年一括
・月払い
いずれかを選択して納付します。
住民税の計算方法ですが、所得に応じて税金が決まります。
概算ですが、
所得の10%が目安です。
所得1000万円 → 住民税100万円
所得 300万円 → 住民税 30万円
といった具合です。
これが、ざっくりした住民税の仕組みです
その上で、ふるさと納税の説明に戻ります。
(2)寄付=納税
ふるさと納税は、お住まいの市区町村以外の市区町村に対して 寄付をすることでした。
私を例にして解説します。
私は郡山に20年以上住んでいますが、出身は山形県の高畠町というところです。
米沢市の北に位置していますが、豪雪地帯で、年によっては1日50cm近く積る日もあります。
勿論、道路もブルドーザーが出動して除雪作業をすることになりますが、
この予算というのは、町の税金から賄わています。
人口約2万3千人の町です。
近年は、少子高齢で予算も少ないそうです。
ですが、雪は降ります。
除雪ができなくなると皆さん困りますから、役立てていただくべく、
私が高畠町に対して寄付したと仮定します。
すると、寄付したお金は、高畠町の除雪費用に使われていきます。
このことは、名目は高畠町に対する寄付かもしれませんが、
高畠町に対して税金を支払っているのと何ら変わらない
という考え方ができます。
確かに、福島県や郡山市から見れば、山形県、高畠町にお金が行ってしまったように感じるかもしれません。
ですが、日本国で見ればどうでしょうか?
世の中という広い視野で見れば、役に立っていると言えるわけです。
世の中のために、皆が負担するわけですから、これすなわち税金と考えることができます。
したがって、お住いのところ以外の市区町村に寄付したということは、
日本国という大きな枠で見れば、税金払ってる事には何ら変わりませんので、
住民税をそのぶん安くしたらいいのではないかという考えが出てきました。
結果、ふるさと納税制度が作られました。
これが、ふるさと納税の考え方です。
寄付する側にとっては、3つの意義があります。
1 好きな市区町村を応援することができる
2 寄付の使い道を選ぶことができる
3 応援することで、世の中に役立っていることを実感できる
といったことがあります。
税金というのは、納めるだけ、天引きされている場合、数字の羅列でしかありません。
何に使われているのか、その意義も効果も推し量ることは難しいです。
数字の羅列でしかありません。
ですが、ふるさと納税を行うことで、税金の使い道に、自分の意思を反映させることができます。
自分のお金が世の中に役立つということを実感するチャンスがあります。
その瞬間、税金という、一見無味乾燥に感じられる数字の羅列が生きたお金になったことを、感じることができます。
ふるさと納税した人がそれを感じていただくこと、税金の使い道を選べることに、意義がある制度といえます。
ここまで、ふるさと納税の基本について、解説しました。
まとめますと、ふるさと納税というのは、
・お住いの市区町村以外の市区町村へ寄付をすること
結果、日本国で見れば、住民税を払っているのと変わらないため、
・寄付した分住民税を安くすることができる
といったことを解説しました。
2 ふるさと納税の歴史
ここでは、ふるさと納税の歴史、経緯について、解説します。
ふるさと納税が世に生み出されたのは、2008年です。2008年4月の地方税法改正により、同年5月から制度がスタートしました。
その頃、返礼品などは全く存在していませんでした。
減税効果だけが存在しており、一部の富裕層だけが利用している状態でした。
ふるさと納税が一躍脚光を浴びたのは、2011年、東日本大震災がきっかけです。
震災や津波、放射能被害に苦しむ地方を応援しようという動きが活発化し、
ふるさと納税の認知が全国的に高まってきました。
福島県では相馬市が、ふるさと納税で全国第2位になるなど、大きく脚光を浴びることになりました。
本格的に火がついたのは2015年頃からです。
インターネット上のまとめサイトの登場です。
従来、ふるさと納税は、1つ1つ市区町村を調べ、手続きを行う必要がありました。
これでは、自治体によってページや経路もまちまちで、非常に手間がかかります。
そのため、ふるさと納税に対応している自治体や返礼品をあつめたまとめサイトが、世に出るようになりました。
さとふる、ふるさとチョイスのような巨大サイトが誕生しました。
決済方法もクレジットカードに対応、サイトを経由して寄付ができるなど、
ワンストップ化の流れが加速していきます。
返礼品も写真付きで、魅力的に表示できるようになりました。
これにより、一気にふるさと納税が認知を得るようになります。
この頃から、自治体も新しい税収確保、財源として、注目するようになります。
豪華な返礼品の競争が始まっていきます。
その流れがピークになったのは2018年頃です。
このころには、返礼品がAmazonのギフトカード、神戸牛など、
地元の特産品とはかけ離れたものがもてはやされるようになりました。
1万円寄付すると5000円キャッシュバックするような、
換金のような手段をとる自治体も現れました。
これに対して規制を行うべく立ち上がったのが、総務省です。
・過度な返礼品を行う自治体へのふるさと納税は税金控除対象外
という措置を行ったところ、
・自治体が総務省を相手に裁判を起こす
など、ふるさと納税を取り巻く環境は加熱していきました。
そしてそこから数年が経過し、近年はほどほどに落ち着いてきたと思われます。
これが、ふるさと納税の歴史です。
3 ふるさと納税制度のしくみ
ふるさと納税制度の仕組みについて、大きく3つお話します。
(1)あくまで減税
(2)満額減税ではない
(3)返礼品が充実
(1)あくまで減税
ふるさと納税を行うと、自分が1年間に負担する住民税の2割までが、減税になります。
例えばで説明します。
1年間で住民税が10万円の方は、2万円の寄付が 減税の上限額です。
1万円寄付 → 減税額1万円
2万円寄付 → 減税額2万円
5万円寄付 → 減税額2万円
このように、減税額にも上限があります。
ふるさと納税で最大のメリットを受けたいときは、
自分の1年間の住民税額を知る必要があります。
さらに、注意することがあります。
・税金を払ってる人なら対象です。(減税になります)
・税金がかからない人は対象外です。(減税するものがないため)
スーパーで例えます。1000円割引券を持っていても、販売代金からの割引、〇〇円以上お買い上げの方限定なわけです。
何も買わずに、1000円割引券をもっていっても、1000円貰えるわけではありません。
ふるさと納税も同様です。
給付金ではありません。あくまで「減税」です。
減税効果を得られるのは、税金を納めている方だけです。
(2)満額減税ではない
これは寄付しても必ず自己負担、つまり足が出ます
(1)で、理解を早めてもらうため、寄付額を2万円と説明しましたが、
いくら上手に寄付したとしても2,000円は必ず足が出ます。
先ほどの例でお話します。
住民税年間10万円の方が2万円を寄付した場合です。
このとき、厳密に言えば減税額は18,000円です。
必ず2,000円は足が出ます
1万円を寄付したとしても、減税になるのは8,000円です
必ず2,000円は自己負担になる(足が出る)とお考えください。
(3) 返礼品が充実
ふるさと納税は、返礼品が充実しています。
寄付をすることで、実質2,000円で高価な返礼品をもらうことができます。
これが、ふるさと納税が節約話に上がる理由です。
返礼品というのは、寄付のお礼に市区町村が準備しているもので、今かなり充実しています。
種類も市区町村によって多種多様で、
土地名産の肉や魚、米や野菜のほか、絵本や宿泊券など様々です。
郡山市なら、クリームボックスがあります。
ふるさと納税の上限値の範囲内で寄付をすることで、
実質2,000円の負担で高価な返礼品や数多くの返礼品をもらうことができるわけです。
一例をお話します。
① 実質2,000円
Ⅰ 20,000円を寄付
うち、兵庫県淡路市 10,000円
うち、高知県須崎市 10,000円
Ⅱ 最終自己負担額 2,000円
税額が18,000減ります。
(国税+福島県+郡山市住民税 20,000円 → 2,000円(18,000円減額))
となります。
② 返礼品の受取
兵庫県淡路市 → 返礼品として牛肉を受取
高知県須崎市 → 返礼品としてマグロを受取
③ 総評
①2,000円の出費で、②牛肉とマグロを受け取ります。
かなりお得といえます。
これがふるさと納税の醍醐味です。
・寄付をすることで、実質2,000円で高価な返礼品がもらえる
・上手に使えば恩恵を受ける可能性が高い
これが、ふるさと納税制度です。
まとめ
ここまでふるさと納税の仕組みについて、3点説明しました。
(1)あくまで減税
ふるさと納税で寄付する金額の上限は、自分が1年間で負担している住民税の約2割です。
(2)満額減税ではない
いくら上手に逆算して寄付したとしても2,000円は必ず足が出ます。
(3)返礼品が充実
市区町村によって様々な返礼品が用意されています。
実質2,000円の負担で返礼品を受け取ることができます。
おわりに
ここまで、ふるさと納税の基本についてお話ししました。
詳しくは専用サイトがインターネットにあります。
代表的なものには、ふるさとチョイス、さとふる、などのサイトがあり、ふるさと納税も行うことができます。
サイトによっては、ふるさと納税の上限をシュミレーションできるページもあります。
チェックするだけなら無料ですから、チェックしていただくのもよいかもしれません。
次の記事では、ふるさと納税を行う上前に知っておくと便利な情報に触れます。
本ブログだけの情報ですから、次回の記事もご覧いただければと思います。
次回予定の記事:【初心者向け】②初めてのふるさと納税 応用編
(令和5年3月14日16:00UP予定)
記事執筆
株式会社トライアンドエラー 税理士 代表取締役 遠藤 光寛(えんどう みつひろ)
1981年生まれ 山形県出身
2000年仙台国税局採用 福島県内税務署を中心に18年間勤務。
2018年税理士事務所を設立。国税時代から法人個人含め延べ約30万件超の財務経営コンサルティングに携わる。
現在は株式会社トライアンドエラー 税理士兼代表取締役社長として、福島県郡山市の企業を中心に財務経営コンサルタントとして活動中。
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