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2025.03.18
LTVを上げる:リピート顧客を増やす戦略とセールストークのポイント
経営相談
ビジネスの継続的な成長には、顧客生涯価値(LTV)の向上が欠かせません。
その中でも特に重要なのが「リピート顧客」の存在です。
今回は、リピート顧客を増やし、LTVを高めるための具体的な戦略と、セールストークのポイントについて解説します。
目次
1 リピート顧客の重要性
ビジネスの成功は、リピート顧客をいかに増やすかにかかっています。
これを理解するために、以下の3つの視点から解説します。
(1)新規顧客獲得コストは既存客の5倍
新規顧客を獲得するためには、広告やプロモーションに既存顧客の5倍のコストがかかるとされています。
一度商品やサービスを購入した顧客を「リピート客」に育てることは、コスト削減にもつながります。
リピート顧客を失わないこと、そして一度取引があった顧客を確実にリピートさせることが、効率的な売上向上の鍵です。
(2)パレートの法則
「パレートの法則」によれば、ビジネスの収益の80%は、顧客の上位20%から生まれます。
この上位20%の顧客層には、リピート顧客が多く含まれる傾向があります。
上位20%の顧客にリソースを集中することで、売上や利益を効率的に最大化できます。
(3)ザイオンス効果(単純接触効果)
心理学の研究によると、人は何度も接触する対象に対して好感を抱きやすくなります。
特に、2回目から10回目までの接触で好感度が急上昇し、その後も接触を続けることで好感度が緩やかに向上します。
視点を顧客との接触頻度を高める施策に向けることで、顧客との関係を深められます。
2 冷やかし客を見極める
顧客は以下の3つのタイプに分類できます。それぞれに適した対応を取ることが、効果的なセールスの第一歩です。
(1)冷やかし客(全体の80%)
冷やかし客は、問題を抱えてはいるものの、解決策を探していない段階の顧客です。以下の特徴があります。
心理状態:悩んでいるが行動には移さない
購買意欲:ほとんどなし
対応方針:過剰に時間をかけず、見込み客にリソースを回す
冷やかし客に対して粘り続けても、購買につながる可能性は低いため、効率的な見極めが重要です。
(2)中間層(全体の15%)
中間層は、問題の解決策を探し始めた顧客層です。以下の特徴があります。
心理状態:購入を検討している
購買意欲:ある程度あり
対応方針:ベネフィットを強調し、購入後の未来像を描かせる
この層は効果的なアプローチ次第でリピート顧客へと育てることができます。
(3)見込み客(全体の5%)
見込み客は、既に購入経験がある、もしくは他社製品で類似サービスを体験している層です。以下の特徴があります。
心理状態:具体的な解決策を求めている
購買意欲:非常に高い
対応方針:商品やサービスの「違い」を明確に伝える
見込み客へのアプローチは、最も高い成約率を生むため、丁寧かつ戦略的に行いましょう。
3 セールストークのポイント
効果的なセールスを実現するためには、顧客のタイプに応じた柔軟なアプローチが必要です。以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
(1)相手の言葉に合わせる
顧客のタイプに応じて、専門用語や説明の深さを変えることが重要です。
冷やかし客:簡単でわかりやすい言葉を使う
中間層:専門用語は控えめに
見込み客:業界の専門用語や詳細情報を積極的に使う
相手のレベルに合わせた言葉遣いが信頼感を高めます。
(2)キャッチボール形式で話す
顧客との会話は、一方的なプレゼンではなく、双方向のキャッチボールで行いましょう。
・顧客の質問や疑問に一つずつ丁寧に答える
・顧客の質問や疑問に先回りして答えない
不明点を解消することで、購買意欲を後押しします
(3)他との違いを強調する
特に見込み客には、自社のサービスや商品の「違い」を強調することが効果的です。
・他社との差別化ポイントを具体的に説明する
・他社では提供できない付加価値を提示する
(4)アピールポイントは1つに絞る
商品の特徴やメリットを多く伝えたい気持ちはわかりますが、ポイントは1つに絞りましょう。
・1つの強みを深く掘り下げて伝える
・顧客が抱える「最大の痛み」か「最大の欲求」にフォーカスする
例えば、飲食店なら「寿司もカレーもラーメンも出す店」ではなく、「寿司専門店」の方が顧客の信頼を得やすいです。
まとめ
LTVを上げるための基本戦略は、リピート顧客を増やすことです。そのために必要なポイントをおさらいしましょう。
① リピート顧客の重要性を理解する
コスト効率を考え、リピート顧客にリソースを集中させる。
② 冷やかし客を見極める
顧客のタイプを判断し、見込み客に注力する。
③ セールストークを最適化する
相手の言葉に合わせ、アピールポイントを絞り込む。
これらの戦略を実践することで、LTVを向上させ、ビジネスの安定した成長を実現できるはずです。
管理職や経営者の皆さまは、ぜひこれらのポイントを実践してみてください。

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記事執筆者
遠藤 光寛(えんどう みつひろ)
税理士・経営コンサルタント
2018年に税理士として独立し、クラウド会計と医療法人支援を専門に、顧問先企業の成長に注力。DX推進や人材育成、経営コンサルティングを通じて、経営課題の解決に取り組む。2020年には株式会社遠藤会計を設立し、より幅広い企業の経営サポートを展開。
人材育成を起点にした業務効率化やデータに基づく戦略策定を得意とし、顧問先の業績向上に貢献。
経営課題に対して、
1 人材育成
2 業務の仕組み化
3 データからの戦略立案
の3つを柱にしたアプローチで、企業の持続的成長を支援している。
保有資格
- 税理士
- 行政書士
- ファイナンシャル・プランニング技能士1級
- CFP®認定者
- 認定マスターコーチ
- 経営支援責任者
- 方眼ノートトレーナー
- クラウド会計ソフトfreee会計上級エキスパート
- クラウド会計ソフトfreee人事労務エキスパート
- 第二種情報処理技術者
- 初級システムアドミニストレータ
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