男の嫉妬は見苦しい ─経営者が最初に切るべきは「人間関係」かもしれない

新しいことを始めようとすると、
必ずと言っていいほど、こう言ってくる人がいます。
「それ、いいのか?」
「根拠はあるのか?」
「前例はあるのか?」
一見すると、冷静で慎重な助言に聞こえるかもしれません。
しかし、話を続けていくと、だんだん違和感が強くなってくる。
こちらが説明すればするほど、
相手は納得するどころか、さらに細かい揚げ足を取り始める。
最後は、こちらの意見そのものを潰す方向に話が流れていく。
もし、あなたが経営者であれば、
この構図に覚えがあるはずです。
これは議論ではありません。
ましてや、建設的な助言でもない。
ただの「嫉妬」と「恐れ」です。
新しいことを提案すると、必ず出てくる人たち
私は税理士として、
会計事務所向けに新しいサービスや仕組みを提案する場に立つことがあります。
・業務のやり方を変える提案
・これまでになかった収益モデル
・記帳代行や申告業務に依存しない仕組み
そうした話をすると、決まって現れる人たちがいます。
「それ、会計事務所で本当にできるのか?」
「そんなことをして、クレームは出ないのか?」
「税理士の本来業務から外れていないか?」
最初は、
「慎重な意見なのだろう」
「業界を思っての発言なのだろう」
と受け取ろうとします。
しかし、よく聞いていると気づきます。
彼らは、
やる気がないのではなく、やられるのが怖いだけ
理解できないのではなく、理解したくないだけ
なのだと。
こちらが根拠を示せば、さらに別の角度から否定する。
説明すればするほど、論点をずらしてくる。
最後は決まってこう言います。
「いや、別に反対しているわけじゃない。
ただ、聞いているだけなんだ。」
そして、こちらが感情を少しでも見せると、
「なんでそんなに怒るんだ」
「生意気だ」
「若いくせに」
という論調に切り替わる。
この流れは、何度も見てきました。
説明すれば理解される、は幻想である
経営者の多くは、誠実です。
だから、つい説明してしまいます。
・ちゃんとした根拠を出せば分かってもらえる
・数字を見せれば納得するだろう
・丁寧に話せば理解されるはずだ
しかし、このタイプの人間には、
どれだけ説明しても無駄です。
なぜなら、彼らの目的は「理解」ではなく、
「自分より前に行く人間を止めること」だからです。
情報を与えれば与えるほど、
相手はそれを使って否定材料を増やすだけ。
最終的に残るのは、
「あいつは生意気だ」
「調子に乗っている」
という感情的な評価です。
ここで覚えておいてほしいことがあります。
説明しても、尊敬は生まれません。
尊敬は、距離と結果からしか生まれない。
経営者の世界にも、必ず同じ構図がある
これは税理士業界だけの話ではありません。
・組合
・業界団体
・古くからの会合
・昔の付き合いで続いている集まり
経営者であれば、必ずどこかで関わります。
そこには必ず、
-
新しいことを始めようとする人
-
それを横から止めようとする人
がいます。
そして、止めに来る人ほど、
「正論」を装います。
しかし、よく見てください。
その人自身(会社)は、
ここ数年、何か新しい挑戦をしているでしょうか。
売上や利益を伸ばしているでしょうか。
組織や仕組みを変えているでしょうか。
多くの場合、答えは「NO」です。
彼らは、
変わらないことで安心を得ている人たちです。
だから、変わろうとする人を見ると、
自分の立場が脅かされるように感じる。
その恐れが、
「それでいいのか?」
という言葉になって出てくるのです。
一番やってはいけない対応
この手の人に対して、
経営者が一番やってはいけないのは何か。
それは、
正しさを証明しようとすることです。
・数字を並べる
・エビデンスを出す
・理屈でねじ伏せようとする
これは、相手の土俵に乗る行為です。
相手は「理解」ではなく「否定」を目的にしている。
その土俵で勝とうとすれば、
時間もエネルギーも奪われるだけです。
しかも、
その場で勝ったとしても、
裏では別の形で足を引っ張られる。
経営にとって、これほど無駄な消耗はありません。
最適解は、いつもシンプル
このタイプの人への対応は、
驚くほどシンプルです。
・相手にしない。
・距離を取る。
・説明しない。
「ああ、そうなんですね。」
「参考にします。」
それだけで十分です。
・深追いしない。
・負荷をかけない。
・議論しない。
これは逃げではありません。
戦略です。
経営とは、
限られた時間とエネルギーを
どこに使うかを選ぶ行為です。
成果を生まない人間関係に、
これ以上リソースを投下する理由はありません。
経営者は「場所」と「人」を選ばなければならない
経営が伸び悩むとき、
多くの人はこう考えます。
・商品が悪いのか
・価格が悪いのか
・営業方法が悪いのか
しかし、見落とされがちなのが、
「どこに身を置いているか」
「誰と付き合っているか」
です。
挑戦を止める人が多い場所
変化を嫌う人が多い環境
過去の成功体験にしがみつく集団
そこに長くいればいるほど、
判断は鈍り、スピードは落ちます。
逆に、
挑戦を当たり前としている人たちの中に身を置けば、
説明しなくても話が通じる。
経営の差は、
能力よりも「環境」で決まることが多いのです。
税理士選びにも、同じことが言える
これは、税理士としてあえて書きます。
もし、あなたの周りに、
-
新しい取り組みを否定から入る税理士
-
「前例がない」を理由に止める税理士
-
根拠ばかり求めて動かない税理士
がいるなら、その人は
あなたの経営のブレーキになっている可能性があります。
税理士は、本来、
経営者の挑戦を支える立場です。
それを止める存在になっているなら、
役割を果たしていない。
・付き合いが長いから
・昔からの関係だから
それだけの理由で続けるには、
経営はあまりにも厳しい世界です。
結論:男の嫉妬は見苦しい。そして、距離を取れ
男の嫉妬は、年齢に関係ありません。
若くても、年配でも、
プライドが高い人ほど顕著です。
そして、この性質は治りません。
だからこそ、
経営者がやるべきことは一つ。
離れること。
説明しない。
戦わない。
理解させようとしない。
距離を取り、
自分の時間とエネルギーを
「前に進む人」「挑戦する人」
に使う。
それが、経営者としての
最も合理的な判断です。
経営とは、
何をやるか以上に、
誰と、どこでやるかで決まります。
その選択を誤らないこと。
それが、成果を出し続ける経営者の共通点です。
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株式会社遠藤会計では、医療機関・企業向けに
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こんな企業様におすすめです:
-
数字は見えているが、現場の動きに落とし込めていない
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-
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記事執筆者
遠藤 光寛(えんどう みつひろ)
税理士・株式会社遠藤会計 代表
二代目経営者を中心に、
事業の成長と経営者個人の資産形成を両立させる支援を行っている税理士。
支援において重視している成果指標は、次の2点。
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経営者個人の金融資産1億円超
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役員報酬差引前・粗利益に占める経常利益率10%超
これらの状態を一過性の成功で終わらせず、
再現性をもって維持・拡張できる経営構造をつくることを目的に支援している。
支援の軸は、次の3つ。
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数字:感覚ではなく、意思決定できる数字に整える
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人:任せられる組織をつくり、経営者が現場から抜けられる状態をつくる
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仕組み:一発屋で終わらない、回り続ける事業構造をつくる
18年間の国税職員経験を経て独立。
福島県郡山市を拠点に、中小企業・医療法人を中心として、
経営に深く関与する伴走型の支援を行っている。
本ブログでは、二代目経営者が直面しやすい、
-
一度うまくいった後に伸び悩む
-
数字は出ているのに手元にお金が残らない
-
次の一手が見えない
といった局面に対し、
「何をやるか」ではなく「何をやらないか」から整理する経営の考え方を中心に発信している。
